cosmonaut

 春といえば桜ですが、皆さんは桜という単語から何を連想するでしょうか。私は、昔給仕をやっていた経験ですとか、生まれが昭和ですとか、そういった理由から、左耳を掌で包む独特の歌唱法が有名な任侠俳優を、あるいは鹿屋という地名を、すなわち隣組などの旅行で投宿した田舎の旅館において催された宴の後の、例えばカラオケルームなどでしばしば歌い語られるようなキーワードを、桜から連想してしまいます。そして、殊に鹿屋という地名からは、二つ間を置いて後に、同じ薩摩の地である種子島を、そこで打ち上げられるロケットを、果ては宇宙を連想します。
 宇宙の深遠さを考えるとき、自らの心の中にある問題や悩みがいかに小さいものかを知る、などとはよく言われることですが、生命は小宇宙であるとも言いますし、生命体であるところの人体の、その器官の一つを構成している脳の紡ぎ出すものが、どうして深遠でないと言えるのだろうかと、そのような議論もあるのではないかと思います。ところで、私は年に何遍か無性に本を読みたくなる時があります。そのきっかけは様々なのですが、例えば昨年ある作家が惜しまれつつこの世を去りました。この人は、エッセィストでテレビにも頻繁に出ている某女史の父君でもあります。その彼の訃報を知ったとき私は、「ああ、そういえば僕は阿川さんの書いたものは伝記しか読んだことがない。しかもその伝記で一番有名な作品を未だに読んでいない。純文学ならばなおさらだ。これは一つ読まねばならぬ。」と思い図書館へ繰り出そうとしましたが、平生の「ずくなし(信州の方言です)」が祟り、結局読まず仕舞いで過ごしたということがありました。今こうして書いていたら再び読みたいという衝動に駆られたため、今度借りてきて読もうと思っています。
 このように私は、何かのきっかけでそれに関係する本を読みたくて仕方がなくなるという、ある種のモノマニアックな性質を持っています。実は同じことは何年か前にもありまして、今調べたところによりますとそれは2010年でしたが、米国のある有名な作家がやはり亡くなった時でした。この人は「宇宙」ですとか「時間」ですとか、そういった浮世離れしたテーマの作品をいくつも書いた人で、最も有名なものには、「月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。」というのがあります。私などはもうこれだけでその作品を読みたくて仕様がなくなります。
 それで私は宇宙に関するフィクションをいくつか読んだのでした。それらはいわゆるSci-fiと呼ばれる作品群でしたが、実にこのSci-fiと私が生業としているところの睡眠とは、極めてその関係性において希薄であると言わざるを得ません。おそらく夢という単語にのみ辛うじて繋がりを見出だせると思われます。例を挙げますと、支那を代表するある高名な思想家の、その思想を象徴する代表的な説話としての「胡蝶の夢」ですとか、最近(と言っても昭和59年ですが)では、頭に角が生えていて、空を飛んで、手から電撃を発することのできる、宇宙人の女子高生(何を指しているのか皆目見当がつかないと思います)の夢に彼女の周囲の人間達が巻き込まれるという、実に興味深い筋立ての作品ですとか、おそらく他にもいくつかあるのでしょうが、それでもやはりそう多くはないと思います。
 結局上に挙げた作品にしても、REM睡眠という睡眠全体のごく一部を主題として切り取ったに過ぎませんし、むしろ夢が主題であるというよりは、我々の認識は何によって規定されているのか、つまりある人の言を借りると「覚醒と夢とが決して確実な標識によって区別され得ないことを明かに認めて、驚愕し、そしてこの驚愕そのものは、私は現に夢みているのだとの意見を私にほとんど説得する」ならば、果たして現実とは何なのか、ということを主題にしていると思います。先の支那の思想家はその独自の宇宙論においても名が知られていますが、例えば我々の多くは宇宙に行ったことがないにも関わらず、あたかも実際行ってきたことがあるかのように宇宙を語ることが出来ます。でも先の言明を真とするなら、全ての宇宙飛行士が同じ幻を見ていることだって万に一つの可能性で有るかもしれません。と、ここまできて漸くタイトルにたどり着きましたので終わります。ちなみに私の実家で飼育しているワンコはゴールデンレトリバーです。名前はらんと言います。家族は親しみを込めて「らんちゃん」とか、ただ単に「あの犬」とか、呼びますヾ(o´∀`o)ノ
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